教師は「話す側」の人間なので、ついついしゃべりのプロと思われがちですが

実は人前で話すのは苦手なんです…。
という方も多いハズ。
もしくは

生徒が話を聞いてくれない…。
と悩んでいる先生もいるのでは?
本日は、そんなあなたに向けて人前で話せるようになる、簡単なテクニック(心構え)をお話しします。
上手く話せられる自分を、演じる
話すのが苦手という人は
- 人見知り
- あがり症
なんてことも多く特に「緊張」で、うまくしゃべられなくなってしまいますよね?
なぜ、緊張するのか?
簡単です。
からです。

うまくいかなかったら、どうしよう…。

ちゃんとできなかったら、どうしよう…。
そんな
まだ出会っていない後悔を、先取りしてしまう
あなた。
これは、一種の防衛本能かもしれませんので直す必要はないと、個人的に思います。

ただ、話す立場である教師が「静止(フリーズ)」しているわけにはいかないですよね?

そんな、悪いイメージが先行してしまうあなた。
まずは「身代わり」を立てちゃいましょう。
二人の自分
教師は何者であるべきか?で話していますが
教師は、役者であるべき
と、私は考えています。
これには、その他いくつかのメリットがあります。
参考
[caption id="attachment_517" align="aligncenter" width="400"] 出典 ©SQUARE ENIX[/caption]教師に限ったことじゃないですが、教えるということは、ただ知[…]
舞台は幕が上がれば、否が応でも終わるまで幕は閉じません。
逆に、幕が上がれば、いつかは閉じます。

何が言いたいの?

「教師」を演じている「自分」を「身代わり」にする。
もう一人の自分を作れ! ってことですね。
なんだか「二重人格になれ!」とでも言っているようですが、あながち遠くないです。
ガラスの仮面の北島マヤ、みたいな。
平たく言えば
ONとOFFのスイッチを入れる
って感じかな。

私は、「教師のときの顔」(授業以外も含む)と「プライベート」では全然違います。
表裏がある、とはちょっと違います。
2人「MFilms」という人物がいるのです。
授業が苦痛で仕方がないと、時間が長く感じます。
そのクラスに足を運びたくなくなりますよね?
しかし、始まらなければ終わりません。
失敗はすべて、「教師役」の自分に背負ってもらいましょう。
本来の自分は、無傷です。
それができれば、失敗したときのダメージも少なくなります。
教師役のスイッチをONにして、教師を演じるつもりで臨みましょう。
参考
[caption id="attachment_517" align="aligncenter" width="400"] 出典 ©SQUARE ENIX[/caption]教師に限ったことじゃないですが、教えるということは、ただ知[…]
「聞く」を意識する
生徒に直接意見を聞くと、案外多いのが
おもしろくない先生の話は、いつも独りよがり(=暴走している)
というものがあります。

- 「こっちの話を聞いてくれない」
- 「無視してくる」
- 「途中で遮って、強硬に授業に戻ろうとする」

どうも(イメージの良くない)国会議員って

民意を無視して、暴走しているから嫌だ…。

自分の意見ばっかり押し通して、共感できない…。
なんて理由が、当てはまりませんか?

話を聞いてくれる、自分の話ばっかりしない先生の話は聞きたいと思うようになりますよ。
授業は進まなくなりますが
生徒から発せられた言葉は、ささいな内容だとしても拾ってあげてみてください。
生徒から発せられた言葉はネガティブな言葉かもしれませんし、授業を止めてまで聞き入る話じゃないかもしれません。
ただ、これを何度か繰り返すと

この人は、私たちの話を聞いてくれる。
って、意識し始めます。
話を聞いてくれる人の話は、聞きたくなるものです。
だって、その話の先に出くわすであろう「疑問・質問」にキチンと答えてくれることがわかっているのだから。
まずは、「上手く話さなきゃ」という考え方を捨ててください。
授業は、生徒が回す。
これくらいの考え方が、必要です。テレビ番組のMCと同じ立ち位置ですね。

参考
先生に求められる能力の一つとしてリーダーシップがあげられます。 しかし、むやみやたらにリーダー論を学んだところで生徒この人は、頭でっかちで威張っているだけだ。[…]
10分でも上手に話せた経験が、大きな結果をもたらす
物事を成功させる秘訣の一つに
チャンクダウンとベビーステップ
があります。
詳しくは
が参考になるので、ぜひ読んでもらいたいです。
いきなり完璧を目指すのではなく、細かく細分化して「一つずつ」成功させる。
生徒の成長も一緒です。
小さな成功体験の積み重ねが、やがて大きな力となって身についてきます。
5分でも、10分でも、うまくしゃべれたらOKです。
あとは生徒がうまく吸収してくれたり、ひょっとすると、助け船を出してくれて授業を回し始めるでしょう。
10分でもうまくしゃべることができればよい、の別の意味

50分もある授業なのに、5分や10分だけ成立しても意味がないのでは?
と心配になりますか?
大丈夫です。
50分の授業があったとしたらその授業の核の部分であることだけを、5~10分かけてしゃべってください。
50分かけてしゃべろうとするから、間延びします。
緩急もなくなるし、どこに話の強弱があるのかピンボケしてくるし…。
いいことはありません。

話が上手な人ならいいんですよ?それで。
口から生まれた「明石家さんま」みたいな人ならば。
でも、あなたはそうじゃない。
実は、多くの事柄って
全体の2割さえ押さえていれば、うまくいくものです。
50分の2割は?

生徒に限らず、あなたもそう。
人間は不思議なことに足りない情報は、勝手に補完するってシステムが備わっています。

足りないな。
と生徒が思えば、生徒は自ら情報の補完をし始めます。
その「補完の手段」に教師のあなたが必要とされたとき、あなたは残りの40分をかけて、お手伝いをしてあげてください。

40人クラスの2割、すなわち8人ほどがあなたを頼りにしたとしたら、一人あたり5分でも付き合ってあげれば、40分になります。
年間の指導計画が存在している以上、授業の進度を無視することはできません。
いつもこんなことしていては、指導計画に大きな支障がでてきますが
うまくしゃべれないと悩みながらだらだら50分しゃべるより、たとえ10分でもうまくしゃべれる方がよっぽど有意義
ってものです。

雑談力を鍛えること
教師の話で覚えていることは?と聞くと、ほとんどの生徒が
無駄話
を上げるハズです。
長時間勤務をしながら一生懸命教材研究をした指導内容よりも、ぽっと思いついた話だったり世間話だったり、時には身の上話だったり。
こんな話が、生徒の中では活きつづけている。

でも、あなたも思い当たるのでは?
振り返ってみると、先生の話って本筋から離れたところの方が、覚えているってこと。
なぜか?
会話には、二等辺三角形の原理が、当てはまるからです。
話の二等辺三角形
会話には二等辺三角形があると思っています。
「自分」、「相手」、「話題」を頂点とする三角形。
3辺の合計の長さは、常に一定です。
「自分」に近い「話題」ばかりを話すと、「相手」は遠ざかります。
逆に「自分」と「相手」に遠い「話題」を話すと、2人の関係は近くなります。
主に初対面で効果を発揮するこの原理ですが、授業でも似たようなことが言えると思います。
「授業」というバイアスをかけると、常に「話題」と「自分」は近くなってしまいます。
ここで
「自分」から遠い「話題」を持ってくる。
そうすると、自然と「自分」と「相手」が近くなる。
本当はもっと複雑なんでしょうけど、これ結構当たっていると思います。
ちなみに、初対面の場合なら
- 好き嫌いに直結しないやつ・思想に左右されないものがいい
- あえて、相手に近い話題を選び、接近する
なんかも考えなくてはなりません。
でも「上手にしゃべりたくても上手にしゃべれない」と悩む人は物事を、複雑に見てしまいがちなので、このくらいシンプルがいいかもしれません。
- 自分より遠い話をすると、相手は近くなる。
- 自分に近い話ばかりだと、相手は遠くなる。
初対面の大人同士なら、「天気」「気象」「季節」がセオリーとされています。
「教師」が「生徒」に向けて意識するなら
「流行」「失敗・挫折」「雑学」
このあたりでしょうか。
あなたなら、どんな話題が思い浮かびますか?
緩急をつける意味でも、「あなたの信頼」を勝ち取るためにも、実践してみてください。
※「雑学」なら、別ブログ「行雲流水」でいろいろと語っているので参考にしてみてください

上手に話したいためのアドバイスまとめ
上手に話せなくて困っていいるあなたに向けて、アドバイスのおさらいです。
- 「教師役」になる
- 聞く、を意識する
- 全体の2割だけを上手に話す
- 会話の三角形を意識する
以上4つを意識するだけで、ずいぶんと話すのが楽になるはずです。
最後に、メンタリストのDaiGoさんが著書「人を操る禁断の文章術」で、こんなことを言っています。
相手の興味を探り、心に刺さる言葉を投げかけることの大切さ
生徒の興味ってなんだろう?
これを意識すると、自然と言葉がすらすら出てくるかもしれません。
授業が苦手…という人は、こちらがおススメです。
あわせて読みたい記事